京都での御法座から帰ってボヤーとしていた時、この童謡が出て来ました、歌っていると自分の事をさっちやんに言いたくなりました。
私は近所でも評判の良い人、名前はK子ていいます。
だけどある方から本当の名前を聞かされたの、事も有ろうにこのいい人に向かってその方はね、あんたは罪悪深重な欲しかない愚子と云う名前だというのよ、嫌な名前でしょう、聞いた時 私こんな名前じゃないとダダをこねたんよ、しかもね、その方は、またまた事も有ろうにこのままだと私の行き先は地獄だと、なんてこと言うの、私は何も悪いことしていないし地獄なんか行かないと、怒って睨み付けてやったんよ、そうしたらね、ほらほらその心が地獄へ行く心なんだよとまた言うの、地獄なんかに行きたくないよ、どうしたらいいのとわめいたんよ。
そしたらね、方法は１つだけ有るよ、とその方が云うの、なになにと咳き込んで聞くと、それはね、私に任せることだ、私に任せたら地獄に行かないだけでなくお浄土へ連れて行ってあげるよというの。
欲な私はすぐその話に飛びついたんよ。任す任す、どうすればいいの、地獄に落ちないばかりか、お浄土に連れて行ってくれる、こんな旨いはなしはない、私に出来ることが有ったら何でもします、どうしたら任せられるのか方法を教えて、タダでは申し訳ない１万円ぐらいだったらさしあげます、どうぞ云ってくださいと申し出たの。
そしたらその方なんと御奇特な方でしょう、何もしなくてもいい、何もいらないというの、そしたら私の心が、何もしなくてよい 何もあげなくていいのは一番いいじゃない、私が永年造って来た宝物が減らなくて好都合じゃないかと囁くの、私もそれもそうだなと納得した訳。
そしたらね、その方が南無阿弥陀仏と私を呼んだので私思わず南無阿弥陀仏と返事をしたの、そしたらその方が正定じゅ不退の位に住した菩薩よと私に云うのよ、じゃあ私の名前は良い子に変わったの？と聞いたら、いやいややっぱり罪悪深重な欲だけしかない愚子だと云うのよ、私がっかりしたけど、でもなんだかそう呼ばれてもいいやと思えるの、寧ろ自分の正体がハッキリして、行き先がはっきりして、心が明るくなったの。
聞いてみるとその方、私を地獄から救ってお浄土に連れて行くために口ではとても云い表すことの出来ない程の、とんでもない永い間、聞くに耐えない苦労をしてくれたんですって、聞けば聞く程申し訳なくて、もうこれからはこの方だけについて行こう、騙されてもいいやと思っているの。
そんな事があってから、いろいろなことを聞いたのよ、地獄のことやお浄土のすばらしいことを。
今も私が造った業の結果が出て来て、死んでしまいたい程の苦しい事だらけなんよ、だけど、地獄の辛さに比べたら針で突いたようなものと思えるし、寧ろこの業こそ、私を救おうと、御苦労をしてくださった種だと聞かされてみると、この苦しみも悪くないなと思っているのよ。
その方の名前を聞きたい？ その名前はね、南無阿弥陀仏様という名前、あなたにもこの仏様に遇ってもらいたいの、今度紹介するね。でも本当はね、いま遇っているのよ、あなたに気付いて欲しくて南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 と呼びづめなのよ さっちゃん
1999.11.29