『仏陀が説かれた大無量寿経』のはなし

その8

 

また、無量寿仏の寿命は

それを量り知ることが不可能である。

その浄土の聖聚の寿命を量ることも

またできない。

 

これら無数の聖聚たちもまた神通力に長け、

その手中に一切世界をたもつことができる。

 

この無量寿仏の浄土に

はじめて生まれたものは、

その広大な美のパノラマに、魂が抜かれる。

金や銀に、瑠璃や水晶に、

珊瑚やメノウに乱反射したような、

圧倒的な光の洪水を浴びて、

眩暈がするだろう。

 

ひとつひとつの光線は宝樹に譬えられよう。

金の樹があり、銀の葉や華や実をつけている。

銀の樹があり、金の葉や華や実をつけている。

瑠璃の樹があり、水晶の葉や華や実をつけている。

水晶の樹があり、瑠璃の葉や華や実をつけている。

珊瑚の樹があり、メノウの葉や華や実をつけている。

メノウの樹があり、瑠璃の葉や華や実をつけている。

 

これら宝樹に清らかな風が吹きつけると、

樹々は打ち震えて、五つの音声を出だし、

その無量の響きは、あまねく他方諸仏世界に伝播する。

その音を聞くものは、

無生法忍を得て、不退転の位につくのである。

 

また、無量寿仏の光の洪水は、

変化して、さまざまな宝の池ともなる。

それらの池には、八功徳水が満ち満ちている。

 

金の池の底に銀の砂があり、

銀の池の底に金の砂がある。

水晶の池の底に瑠璃の砂があり、

瑠璃の池の底に水晶の砂がある。

珊瑚の池の底に琥珀の砂があり、

琥珀の池の底に珊瑚の砂がある。

 

宝池の岸には栴檀の樹々があり、

華葉を垂れて、香気をいっぱいに放っている。

宝池の水面にはたくさんの蓮の花が漂い、

青や赤や黄や白の麗しい光が交錯している。

 

水は清らかに澄み切っており、

そのなかに入るものは、

たましいが洗われ、法悦だけとなる。

水のせせらぎからは、

さまざまな音声が出て、

十方世界に広流する。

 

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2002.11.15