このように語られてから釈尊は、
さらに深い瞑想のうちに入られました。
阿難はじめ聴衆たちは、かたずをのんで
釈尊のお口より洩れる言葉を待ちました。
「十方世界には、あますところなく、
無量の仏陀が存在しておられる。
このことは汝らの思議を超絶していようが、
わたしにはよく観察できる。
その無数の仏陀たちは、
ことごとく阿弥陀如来のみもとに往詣され、
阿弥陀如来を恭敬し、供養して、
その功徳をもろもろの菩薩、大衆に
及ぼさんとされるのである。
ここから東の方に、
ガンジス河の砂粒の数のように
無数の、諸仏の浄土がまします。
南の方にも、西の方にも、
北の方にも、四方八方にも、
それぞれ無数の諸仏の浄土がまします。
それらの浄土の菩薩たちは
阿弥陀如来の浄土に往詣して、
この無上の仏陀をほめたたえまつる。
『覚者は智慧と神通を究め、
生死の海から衆生を救いたもう』
阿弥陀如来は微笑みたまい、
無数の光を放射したもう。
観世音菩薩の、問うてもうさく、
『微笑みたもう御心を説きたまえ』
菩薩たちは無上尊の、
いかずちを震うが如き、妙なる響きの
八音の法音を聞く。
『十方より来たれる菩薩よ、諦聴せよ。
われ、汝らの所願をことごとく知る。
すべての存在は夢幻響、
一切は空無我なりと覚了して、
精進して仏陀と成り、浄土を建立せよ』
諸仏如来も菩薩たちに説きたもう。
『法に隨順して修行し、
阿弥陀如来の本願力の名号を聞いて、
無上尊とひとしいさとりを得よ。
この浄土に往生するならば、
速やかに神通力を得て、
無数の仏国土を飛遊し、
無数の如来に仕えることができる』」
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2002.11.16