やがて釈尊はふたたび静かに口を開かれました。
「この阿弥陀如来の浄土に生まれるものは、
もはや退転することなく、
仏陀と成ることが決まっている。
不退転のこころをいただいていなければ、
浄土に生まれることはできないのである。
十方世界にまします諸々の仏陀たちは、
すべて、阿弥陀如来のすぐれた功徳の
不可思議なることを、讃歎しておられる。
どんな衆生でも、
諸仏が讃歎されるこの阿弥陀如来の名号を聞いて、
そのお心をいただき、心から歓ぶならば、
その心は、
阿弥陀如来がまごころから与えてくださったものであるから、
その信心歓喜の一念に、浄土に生まれることが決まり、
不退転の位につくのである。
ただし、五逆の罪を犯す者と、
仏法を謗る者だけは除かれる。
十方世界に存在する諸々の天人や人間で、
阿弥陀如来の浄土に生まれたいと願う者には
およそ三種類のものたちがいる。
第一のものたちは、出家して修行者となり、
ただひたすらに阿弥陀如来を念じ、
多くの善根功徳を積んで、浄土に生まれることを願う。
これらのものたちの今生での命が終わるとき、
阿弥陀如来は多くの菩薩とともにそのひとの前に現前され、
そのひとは浄土の七宝の華の中から化生するのである。
それゆえ、この世で阿弥陀如来にあいまみえたいと願うものは、
修行者となって功徳を積むがよい。
出家して多くの善根功徳を積めない第二のものたちは、
ただひたすらに阿弥陀如来を念ずるがよい。
在家の戒律をまもって多少の善根功徳を積むならば、
今生での命が終わるとき、阿弥陀如来は浄土の聖聚とともに
その化身をそのひとに現前せしめられるであろう。
何の善根功徳も積めない第三のものたちも、
ただひたすらに阿弥陀如来を念じて
浄土に生まれたいと願うがよい。
阿弥陀如来の名号のいわれを聞いて、
名号にこころ射抜かれて歓ぶならば、
疑うこころは露塵ほどもなくなってしまう。
今生での命が終わるとき、夢見るようにかの仏陀を見、
浄土に往生するであろう」
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2002.11.16